563Aの分配金はなぜ韓国ETFより少ない?原因を公開データで確かめました。
563Aは、NASDAQ100のカバードコールで「年15%程度の分配」を目指す東証のETFです。
中身は韓国のETF(486290)。こちらは実際に年15%前後を分配しています。
ところが563Aの分配金は、9月で1口10円。年率にすると約11%です。
中身は同じなのに、4%も少ない。
韓国で税金を抜かれているなら、わざわざ563Aを買う意味はありません。僕も563Aを持っているので、本当にそうなのか公開データで確かめました。
結論
- 差の半分は韓国の税金。ただし課税口座なら日本の税金から差し引かれるので、ほぼ損はしない
- 残りは希薄化。人気すぎて口数が急に増え、分配金が薄まっただけ。お金は基準価額に残っている
- 正体不明の目減りは見つからなかった
疑問:15%のはずが11%
| 分配 | 年率 | |
|---|---|---|
| 韓国ETF 486290 | 月130ウォン前後 | 約15% |
| 563A | 7月14円・8月9円・9月10円 | 約11% |
※563Aは9月の10円を基準価額(約1,070円)で年換算
Global Xは「15%はオプション料の目標で、分配利回りを約束するものではない」と説明しています。でも中身の韓国ETFが実際に15%出している以上、それは答えになっていません。
仮説:犯人候補は3つ

- 韓国の税金:韓国ETFから563Aに分配されるときに引かれる
- 希薄化:分配金の元を、増えた口数で山分けしている
- 手数料:韓国ETFを挟むぶん、コストが余計にかかる
調査:9月の10円を分解してみた
Global Xが毎月公表している税金のデータと、日々の純資産・基準価額から計算した口数を使いました。

本来なら1口13円もらえるはずが、韓国の税金で2円、希薄化で1円減って、10円になっていました。
手数料は563Aのぶんが年0.0275%なので、月0.02円。ほぼ無罪です。
韓国の税金:引かれるけど、日本で取り戻せる
韓国では約15%の税金が引かれています(7〜9月の実績で14.7〜16.1%)。
「やっぱり損じゃん」と思いましたが、そうでもありません。563Aには二重課税調整という仕組みがあり、韓国で払った税金を日本の所得税から差し引けます。
100円の収入で比べるとこうなります。
| 韓国の税金 | 日本の税金 | 手取り | |
|---|---|---|---|
| 外国税がかからないETF | 0円 | 約20円 | 約80円 |
| 563A(9月) | 約15円 | 約5円 | 約80円 |
手取りは同じ。日本に払うはずの税金を、先に韓国に払っているだけです。
ただし注意点が2つあります。
- 韓国の税率が15.3%を超えた月(7月・8月)は、はみ出たぶんが戻らない。損は年0.1%くらい
- NISAではこの仕組みが使えない(そもそも563AはNISA対象外)
希薄化:人気すぎて薄まった
563Aの分配金は、ざっくり言うと次の計算で決まります。
分配金 = 韓国ETFから受け取ったお金 ÷ 563Aの決算日の口数
受け取るお金は、韓国ETFの権利確定日(月末)に持っていたぶんだけで決まります。そのあと563Aが人気で口数が増えると、同じお金をより多くの口数で山分けすることになります。
9月は、権利確定時点の5,118万口から決算日の5,608万口まで、2週間で1割増えていました。分配金も1割薄まった計算です。

7月はもっと極端です。上場直後の少ない口数で受け取ったお金を、2倍以上に増えた口数で分けたので、本来の4割ほどしか出ていません。
ただ、これは損ではありません。分配されなかったお金はETFの中に残り、基準価額に含まれています(東証マネ部の解説)。減ったのは「毎月の現金」で、資産は減っていません。
検証:3か月とも同じ答えになるか
9月だけ合っても偶然かもしれないので、7〜9月すべてで税金と希薄化を足し戻してみました。

青い点(分配金の元を受け取った時点)と、オレンジの点(山分けする時点)の差が、各月の希薄化です。
| 決算 | 実際の分配金 | 税金と希薄化を戻すと(年率) |
|---|---|---|
| 7月 | 14円 | 14.9% |
| 8月 | 9円 | 14.4% |
| 9月 | 10円 | 14.7% |
3回とも、韓国ETFの分配率(組入比率を考えると約14.9%)とほぼ同じ。どこかでお金が消えているわけではありませんでした。
おまけ:AIの答えも間違っていた
この記事はChatGPTとの議論がきっかけです。純資産などの数字は正確でしたが、「9月の分配金は9円」という前提が違っていました。9円は途中の見込額で、確定したのは10円です。
AIはこの9円を説明する、もっともらしい理屈まで組み立てていました。数字は一次資料で確かめないと危ない、という教訓です。
結論:563Aは買いか
- 「税金で損するから買わない」は、課税口座なら当てはまらない
- ただし15%は出ない構造。資金流入が止まっても、表面の利回りは12〜13%くらい
- いま分配金が少ないのは、損ではなく「薄まっている」だけ
563Aは上場以来、JEPQやQQQIなどNASDAQ100系のカバードコールETFと比べて、トータルリターンが一番よかったです。563Aは4月の設定から9月28日までで、分配金込み+10.6%でした(Global Xの運用実績より)。
今回の検証で、分配金が少ないのは「損」ではなく「薄まっている」だけだと確認できました。想定が大きく外れなければ、このまま持ち続ける予定です。
次に見るのは、資金流入が落ち着いた月に1口11円前後が出るかです。
10月の予想(答え合わせは追記します)
韓国ETFの9月分配が132ウォン前後なら、10月10日決算の563Aは10円か11円と予想します。口数が大きく増えれば10円、ほぼ増えなければ11円です。
これで9円以下なら、どこかに見落としがあります。











ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません